ブレーキパット交換(フロント側)

FD3SとFC3Sは ブレーキパットは共通です。また16インチモデル・17インチモデルでも区別がありません。

用意するもの
  • ペンチ
  • マイナスドライバー
  • 新しいブレーキパット
  • プライヤー
  • 17ミリのソケット
  • ボロ布
  • 念の為 ブレーキオイル

ボンネットを開けてブレーキマスターシリンダーの黒いキャップを外し ブレーキフルードの液面の位置を確認します。ブレーキピストンを押し戻す行程でこの液面が上昇しますので 液面が高すぎる場合はボロ布などに吸い込まして液面を下げてください。
 ブレーキフルードは塗装を激しく腐食するので塗装面に付着した場合は直ちに水で洗い流してください。また軍手などに染みこんだ場合も注意が必要で そのままフェンダーなどに触った場合 フェンダーの塗装が溶けてしまいます。

ジャッキアップしてホイールを外します。右側のブレーキパットを交換する際にはハンドルを少し左に切ると作業がしやすいでしょう。

キャリパーの横面を見ると ブレーキパットが2本のピンで固定されているのが見えると思います。またそのピンは2個のバネ状の針金も固定しています。

ゴム製のキャップが見えますが ここはブレーキのエア抜きをするためのバルブです

左側に17ミリのボルトが見えますが(上下合計2カ所)これを外すとブレーキキャリパーを取り外すことも出来ます。その際にブレーキラインを曲げてしまったりABSのケーブルを切ってしまわないように注意してください

キャリパーの裏側を確認します。針金で2本のピンが抜けないように固定されています。この針金をまず最初に抜き取ります。
 この針金は貴重品ですので変形させないように注意してください。(これらの針金だけをマツダから取り寄せることは不可能です。純正ブレーキパットを含むフルキットを購入しないとこの針金を入手できません。)私は既に駄目にしてしまったのでピアノ線で自作しています。この作業はピンを微妙に回転させることが必要になるかもしれません。ピンを回転させるのにはマイナスドライバーを使用すると便利です。

ペンチを使用してピンを引き抜きます。これでバネ状の針金2つも取り外すことが出来ます。上下で形状が違うので注意してください

 


ブレーキパットはピストンで押さえつけられている状態ですので 簡単には抜き取れませんが 何とか工夫して取り出してください。
 ブレーキパットには鳴き防止の金属板が重ねて取り付けられています。必ず必要なものではありませんが 私は極力取り付けるようにしています。

ブレーキピストンを押し戻します。ここが一番の勝負所なのです。
 まずは指で左右均等に押し戻してみてください。スパナやプライヤーを使用してブレーキピストンを押し戻す方法もあります傷が付いてしまいますので まずは指で可能な限り押し戻してください

 

使えるようで使えない専用工具

特殊工具を使用すると凄く楽に作業できるような気がしますが 思ったほど有効ではありません。どうしても斜めにピストンを押してしまうからです。この工具を使用して無理矢理ピストンを押してしまうのはトラブルの元ですのでお勧めしません。あくまでも指で押し返せる範囲でご使用ください。

 


また最初にも注意しましたが ピストンを押し戻す課程で マスターシリンダーのフルードの液面が上昇します。溢れ出ないように時々観察してください。

ブレーキピストンを4つとも押し戻せれば作業は終わったも同然です。新しいブレーキパットをセットしてピンを差し込み 針金(正式名称は一体なんでしょうね)で固定します。

どうしてもピストンが押し戻せない場合は 先に書いた17ミリボルトを外してキャリパーごと取り外してください。格段に作業がしやすくなります。ただしこのボルトは尋常でない硬さで締め付けられているので 初めてゆるめる際にはかなり手こずります

ブレーキピストン
17インチモデルは前後異型サイズです

ブレーキキャリパーを取りだした状態です。ブレーキピストンが少し見えていますが その周囲の黒いゴム製品がダストブーツです。これが熱でボロボロになっているとブレーキキャリパーのオーバーホールをした方が良いでしょう。(マツダからオーバーホールに必要なパーツがセットで販売されていますが ちょっと難易度が高いので個人でされるのは余りお勧めしません。

 

 

パットを交換しても直ぐに全開走行をしないでください。パットとDISKのあたり・なじみがでるまでしばらく時間が必要です。

サーキット走行中は走行毎にパットの残量を確認してください。ストリート用のパットは異様に早く摩耗します。リアのブレーキパットの残量確認はちょっと難しいですが フロントはホイールを外さなくても大体の残量が確認できます。

30分の走行で新品のパットが無くなってしまったこともあります。