機械式LSD

オークションでマツダスピードのLSDを入手。Sタイヤを使用すると純正のトルセンはギヤが割れてしまうので導入しました。

私のFDはRSなので強化型トルセンが採用されており コーナー立ち上がりで内輪の空転は実際ありませんでしたが 将来への予防的な搭載でした。


マツダスピード製2WAY機械式LSD(と思ってた;後述)FD・FC・SE3P(RX−8)に共通です。


取り外した純正トルセンLSD FCに取り付けできるのでオークションで売却
RX−8にも流用できるので 今後人気が出そうです。
注;デフの効きはFD3S>SE3P


純正トルセンの内部ギヤ



オークションで落札したLSDは 落札したままの状態で,オーバーホールせずに搭載しました。
運転した感じは 特にアンダーステア傾向にはならず コーナーでも特にトラクションがかかったという印象もありませんでした。まあ マツダスピード製だから仕方ないか・・・・・と そう思っていました。機械式LSDらしいギクシャクした動作も町乗りでは認めませんでした。

知人の某社製LSD搭載車も運転したことがありますが 公道で市販ラジアルで普通に運転しているだけでも内輪側のタイヤがズリズリと鳴り LSDの効いてることがよくわかりました。

その後タービン交換したところ 美祢サーキットの1コーナーで内輪がホイルスピンして駆動力が抜け全然前に進みません。こりゃおかしい・・・・ということでオーバーホールしました。

リフトアップして片方のタイヤを回すと もう片方も同方向に回転します。機械式LSDなら当然のことです。しかし他下方のタイヤを他の人に抑えてもらって固定して もう片方を回転させると・・・・・回転してしまう状態でした。全然効いてないじゃん!!!

こりゃイニシャルトルクが5キロもなさそうです。

なんじゃこれ??LSDをあけてみるとこんな組み方になっていました。
????????理解不能です。

左右とも同じ組み方でしたので うっかりミスではなさそうです。スプリングを3枚入れてイニシャルトルクを稼ぐのが狙いかもしれませんが それにしてもフリクションプレーの組み方がおかしいです。

これだと摩擦面が片側で1面しかありません。

コニカルスプリングが×3
フリクションディスクが×2
フリクションプレートが×1

この並べ方は

・・・・FC3Sの純正LSDと同じです・・・・・

つまり私がオークションで落札した”マツダスピード機械式LSD”なる品物は 実はFC3S純正機械式LSDだったのです

こりゃ まいった


 

正常の組み方

マツダスピードのLSDの正しい組み方です。摩擦面は4面あります。

コニカルスプリングが×1
フリクションディスクが×3
フリクションプレートが×2  で組みます。(片側)

この順番で組みなおしました。もちろんプレートは全部新品に交換.

 

品名 備考 価格
LSD O/Hキット (マツダスピード) 21500
デフサイドシール  630×2 1260
デフベアリング 3740×2 7480
デフオイルパンG/K 60×2 120
デフオイル 2380×2L 4760
デフ脱着  (調整・O/H・組込み) 43800


 

なぜこのような不可解な組み方をするか・・・・・

それは 機械式LSDを必要としない顧客からクレームが来ないように 販売時にはイニシャルトルクが出ないように 故意に間違った組付けをしていた・・・と伺いました.本当かどうか知りませんが.

某社の有名スポーティーカーのデフも同様に 販売時には故意に間違った組み合わせで取り付けてあるそうです。

 

蛇足かもしれませんが マツダスピードにせよFC前期純正機械式LSDにせよ プレートの直径が小さくちょっと古い設計です. サーキット最速を目指すならA.T.S.の製品をお勧めします。

他社のLSDをみても最近の設計の製品では
フリクションディスクが×4枚
フリクションプレートが×3枚 程度で構成されているものが多く 摩擦面を増やして 低いイニシャルトルクで サーキット走行でも十分利用できる設計になっています。

マツダスピード製でも 勿論サーキット走行に十分耐えうる利きを出すことが出来ますが 摩擦面が少ない分 クラッチの圧着力に頼らざる得ず スプリングが反ったりプレートが磨耗するのが早いようで,効きがすくに失われてしまいます.