Turbin kit-3

Turbin kit-2を先に見てもらえれば判りますが 2004年1月 エンジンブローに伴い TN60タービンも壊れてしまいました。壊れたのはタービンブレードだけで ハウジングやコンプレッサーは無傷なんですが 修理しない理由はTurbin kit-2の下のほうに記載したとおりです。

純正タービンで復活・・・・ということも考えましたが 悪い虫が騒いで またまた怪しいタービンを購入してしまいました。でも純正タービンのレスポンスというのも楽しいと思いますよ>ホント


さて入手したタービンです。1800キロしか使用していないそうです。元FCで使われていたようです。
またターボネティック製・・・・。コンプレッサーハウジングには20190と品番があります。つまり以前使用していたTN60-1と同じですね。同じタービンだ ラッキー!!と思って購入。しかしよく見るとコンプレッサーの羽根の枚数が多い???

TN60-1は 羽根が14枚です しかしこのタービンは16枚あります。

分解すると なんとコンプレッサーハウジングは確かにTN60なんですが 中のコンプレッサーがでかい!!コンプレッサーの羽根のサイズはT04Rと同じです.しかも羽根が立っていてT04Rより よりサージングしにくい形状でした。容量としてはT51Rに近いと・・・・。わざわざTN60-1のハウジングの内部を削ってでかいのコンプレッサーを入れたのか?と当初は考えていました。

コンプレッサーの直径は84ミリとT04Rと同じ


TN60(T04S相当)との比較,


さらにエキゾーストのタービンは7度のカットが初めから入った羽根が使われています。(いわゆるカットバックはロストワックス製法で鋳造後に羽根を削ったものですが このタービンは初めからタービンの羽根を削った形状で鋳造されています)


羽が斜めになっているのが判りますでしょうか?


上から見るとタービンの向こう側が見えます. これによって排気抵抗が低く 排圧の上がりにくいタービンになります.もちろんそれと引き替えにタービンの立ち上がりは若干悪くなります.


普通は タービンの向こう側は見えません(T04S)

ちなみにエキゾーストのハウジングは A/R0.96のシングルポート・・・・
タービンの羽の形状と相まって,
ノーマルエンジンだと抜けが良すぎて下がスカスカになりそう.
排圧は上がりにくそうですが・・・.ポートを削ったエンジンには合いそうですね.

なに・・・・このタービン?

改めてコンプレッサーハウジングを見ると 20190のあとになにやら薄く刻印してあります。

”20190...67”??

TN67-1S ?ですか???

その後 色々な方面の方に伺いましたところ ターボネティックスの”67”というタービンじゃないかと指摘頂きました.風量としてはTO4Rの+10%増しだそうです.FDノーマルエンジンでも500馬力可能だそうですが,でっかいコンプレッサーに抜けの良い排気タービンという組み合わせだと当然というか”ドッカンターボ”という性格は避けられそうにありません.前オーナーはノーマルFCエンジンで使用されていたそうで インターセプトポイントは5000回転だったそうです.0−400をされていたので それでも特に不都合はなかったそうです.

ということで 私の今後のコンセプトには ちょっとハードすぎるタービンでしたので売却.

 

余談ですが,ターボネティックスというのはギャレットのパーツ部門の名称です.殆ど同じ会社と思っていただいて差し支えありません.日本では代理店の関係などでギャレットの方が名が売れていますが,現地アメリカではターボネティクスの方が 遙かに名が売れています.

そもそも タービンは現在大きく分けて2系統しかありません.日本のIHIとアメリカのハネウエルグループです.
ハネウエルグループには,ギャレット・KKK・ターボネティクス・三菱・日立がいます.タービンに関する特許は殆どギャレット=ハネウエルが抑えていますので 三菱や日立も技術提携をしてグループの一員となっています.ですので日立製のタービンにギャレットのコンプレッサーをつけたりすることもある程度可能です.

一方 IHIは独自の路線を走っており 実際GT選手権で使用されているタービンは 過半数がIHI製です.

その4