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PIONNER A-N701

最終更新日 2006年3月25日

Direct Energy MOS-FETを採用したミニコンポ用アンプ  平成10年発売
オークションで4500円で落札

  • ダイレクトエナジーMOS FETの採用など、こだわりの基本仕様
  • 出力段にはパワーロスが少なく、優れたパワーリニアリティを実現する高性能パワー素子、ダイレクトエナジーMOS FETを採用。4Ωのスピーカーを充分に鳴らす、優れた低負荷ドライブを可能にしました。
  • シンプルなワイドレンジリニアサーキットを搭載。優れた周波数特性と歪のない安定したスピーカードライブを実現しました。
  • アルミ押し出しによる厚肉ヒートシンクを採用で、放熱処理を向上させると共に振動も低減します。
  • トランスにはノイズ感を減少させる高透磁率コアを採用
  • コンデンサーには高品位カスタムパーツを採用し、よりクリアなサウンドを実現
  • アナログプレーヤーの接続が可能なアナログ入力端子、パワードサブウーファーとの接続を行なうスーパーウーファー出力端子を装備
  • 実用最大出力 20W+20W (EIAJ,4Ω)
  • 消費電力 45W
  • 外形寸法 212(W)×95(H)×307(D)mm
  • 質量 3.8kg

以上 パイオニアのホームページから転載  


電源をいれるとご覧のようにボリューム周囲がライトアップされる。ボリュームは取り外しをしなかったが触った感じはプラスチック製で中は空洞のような感じ。

”Fine”とかいたボタンがあるが これを押すとパワーアンプダイレクトになるのであろう、ゲインが下がり出力も下がる。トーコントローラーも効かなくなる。

Fine ONからOFFにすると音量が上がるわけであるが、そのときはボリュームがモーターで駆動されて自動的に音量が絞られるという芸の細かさがある。


ONKYO A-911Mとの比較 いわゆるミニコンポサイズより一廻り小さい

 


上面

放熱口から左右別のヒートシンクが見える

 


コスト的にこの辺は仕方ないか・・・・

 


スピーカー端子は1系統のみ

 


電源コード

交換式だが コネクターは2ピンタイプ


内部はsimple

 


トランスは2つある。コントロール用??


電解コンデンサーは35V4700μFが2本のみ
キャップをかぶせてある。

 


ヒートシンクには意味不明の銅メッキのネジが・・・
何かを固定するでもなく 音質に影響するのでしょうか?


ダイレクトエナジーMOS-FET

ダイナミック・リニア・アドバンス・ピュア・スーパー・ダイレクトなど オーディオにはよく使われる装飾語だか 普通のMOS-FETとの違いは触れられていない。

IR社のHEX-MOSFETという製品らしいが詳細不明。日本アルプス電子(株)が輸入している。
以下ホームページから転載

IR社のセル構造の基本型は電界集中の少ない6角形(HEX)の組み合わせで設計されており、連続アバランシェ耐量の保証により耐圧選定の最適化と熱余裕度、経済性の向上が図れます。(IR社製FETのシンボルでは寄生ダイオードにツェナーのシンボルを使用しています。)内臓ダイオード逆回復時 dv/dt 保証により内部寄生ダイオードの積極使用が可能です。耐圧とチップサイズのマトリックスで製品群を構成しており、機能的な選定ができます。

第5世代HEXFETRでは、4プロセスウェーハ加工技術を業界に先駆けて採用、世界で最も耐久性と性能に優れたパワーMOSFETを提供しています。オン抵抗を65%以上低減すると共に、アバランシェ耐量とボディダイオード特性の向上、そしてゲートチャージを低減した第5世代HEXFETRは、パワーMOSFETの性能と製造技術における新しい業界標準となりました。その後トレンチセル、プレーナストライプ及びトレンチストライプ構造のパワーMOSFETを発表致しました。これらの技術では主にPC向けDC-DCコンバータ用パワーMOSFETなどのアプリケーション特化型の製品が製造されています。

うーん 私にはなんのことやらさっぱりわからん・・・。

 


プリ基盤?

PHONO入力用にイコライザー回路のパターンがあるが このモデルでは実装されていない。
しかし トランジスタの数が少ない
メインのパワーアンプ基盤にはファイナルのMOS-FETがあるだけ
プリ基盤には 写真やや左側のICがあるだけで 他に見える範囲にはトランジスターは皆無である。
意図的にシンプルな回路になるように勤めたようです。


東芝製 TC9164AN

アナログ入力のスイッチ用のIC;High voltage analog function swith array です。

 


電源トランス

A−1001と比較すると 小さいといわざるえない。CDプレーヤーのXL-V1100とあまり変わらないサイズ

しかし内部のスペースのバランスとしては この程度のサイズというのは仕方ない面もある。


プリ基盤 側面


天板 

側面にはネジ無し 後側だけで固定されている。叩くとよく鳴る

 

音質

FineボタンはONの状態で試聴。D-55に使用しているスピーカーケーブルは太すぎてこのアンプの端子には入らなかったのでNS-1000Xのみ使用した。

低音もよく出ている・・・が 電源部が強力でがっしりした低音が出る・・・という感じではなくて 音作りとして意図的に低音をブーストしているような ラウドネスがONになっているような感じの、量として低音を不足無く感じる印象である。中音の厚みというのもサイズから来る(?)限界を感じる。

ヒステリックな音は出ない。AU-α707L EXTRAと比較すると勿論差があるが、聞いていて強い不満を感じるような音ではない。NS-1000Xのキャラクターが支配的で、このアンプの音の傾向については 低音以外にはよくわからないが、ナチュラルなサウンドなのかもしれない。傾向としては ややドンシャリの傾向ではあるが、それほど聴き疲れしない許容範囲の音である。低音も前述のように量としてあるが、当然怒涛のような低音は出ない。

ソースも選ばない。キツイ音が出ずのんびりと音楽を聴くには良いアンプかもしれない。しかし通常のミニコンポよりさらに小さいサイズが、他の機器と激しくミスマッチだったので売却処分した。

これと同じCDプレーヤーを購入して 小型スピーカーを鳴らすと肩が凝らない良い感じのプチオーディオになると思う。バランスの良い音で、好感を持った。これはこれでよいアンプと思う。黙って聴かせれば文句を言う人は少ないだろう。

 

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