オーディオ解体新書>音質対決 アンプ編

 

音質対決 アンプ編

最終更新日 2007年8月30日

アンプの比較試聴は大変手間が掛かりますので、あまりやっていません。

ONKYO
A-927

VS

SONY
TA-FA50ES

これは 凄い差が出た。

音が全然違いますね。

低音はTA-FA50ESの圧勝。A-927は、かなりボリュームを上げないと低音のパワーが感じられません。ボリュームのカーブが独特の設定のようでその関係もありますが、12時より下では、低音はスカスカです。

中高域は、くっきり明瞭なTA-FA50ESに対して、バランスや自然さを大切にしたA-927という感じで、かなりキャラクターの差を感じました。

小音量で聞くならTA-FA50ESですが、ある程度の音量を超えると、TA-FA50ESの音はキツイ感じがしてきます。そういう音量だとA-927の方が良いですね。

比較条件

CD-P; Victor XL-V1100
SP; YAMAHA NS-690 U
ソース クラシック大編成のみ

 

 

比較条件

CD-P; KENWOOD DP-7040
SP;PIONNER S-77 TWIN SD

2006年1月に同時に視聴
ソース クラシック大編成のみ

  発売年 価格 重量
TA-F222ESX 1986 67000 13.6
SU-A900 1994 74800 9.4
A-1001 1993 60000 7

※TA-F222ESXが重いのは、Gシャーシーを使用しているため

SONY
TA-F222ESX

VS

KENWOOD
A-1001

TA-F222ESXの音はいわゆるソニーサウンド。
中高域のクリアさ・音場の見通し・解像度も透明度はTA-F222ESXが良い。元気があってメリハリが良い。音場の密度もA-1001より少し低い印象だが、音場自体はこのアンプの方が一番広い。高音に少しアクセントがあるのは事実だが、嫌味にはならないし、低音もがっしりしていて充実している。

A-1001はTA-F222ESXと比較すると、解像度・明瞭度・音場感・メリハリ感で負ける。しかし低音の量感や落ち着いた雰囲気・音場の密度という点で勝る。どちらが良いアンプというよりは、完全に方向性が違うアンプで好みの問題ですね。

テクニクス
SU-A900

VS

SONY
TA-F222ESX

クリアで透明度・明瞭度では222ESXが勝るが、アダルトな雰囲気では、SU-A900の方が良い。発売時期でTA-F222ESXが8年古い製品であるが、別段222ESXが古いとか劣っているとかレンジが狭いとは感じない。むしろ222ESXの方がスッキリしたHI−FIの音に感じ、音場の広さや弦楽器のホールの反響がス〜と消失する感じは良い。いやレンジの広ささえも222ESXのほうが優れている。
若干高域がキツイ感じもあるが、222ESXのそれは許容範囲の範疇と思える。SU-A900はスピーカーの間にしか音場は定位しないが、222ESXは、スピーカーの前であるが パーと音場が広がるのが一聴して判る。

普通の人が聞いたらまず間違いなくTA-F222ESXの方が音が良いと感じるだろう。私もそうだ。
低音の感じもSU-A900は善戦している。決して低音が弱いとは感じないが、TA-F222ESXに切り替えて視聴すると、低音のがっしりした感じは222ESXに軍配が上がる。SU-A900は歪のないスムーズな音ではあるが、TA-F222ESXの方が高域のレンジは伸びており、その関係でTA-F222ESXの方がクリアな透明度がある。SU-A900は、透明感というより、混じりけのない真珠のような感じである。

正直 最初TA-F222ESXを聴いたときは、ちょっと高音がキツイと感じて売却方針を早々と決めてしまっていた。後釜としてSU-A900を購入した訳であるが、予定ではSU-A900のアダルトなサウンドに満足してTA-F222ESXはめでたく売却!のつもりであったが、これは困った。

S-77 TWIN SD自体がアダルトな音色なので、SU-A900との組み合わせではアダルトな方向に寄りすぎて、HI−FIから脱落しているのかもしれない。弦楽器などは刺激的な音が出ず聴き疲れしないのだが、生気や艶までなくなっている感じである。D-55で一度視聴してみたら面白いかも・・・・

KENWOOD
A-1001

VS

テクニクス
SU-A900

A-1001は疲れない音で雰囲気があります。キャラクターがなく、基本的に無難な聴きやすい音質です。CDダイレクトにすると 少し明瞭さや解像度が増しますが、少しメリハリも付きます。私の好みからすればCDダイレクトでない方が好みです。

SU-A900との比較ですが、意外とA-1001は善戦しています。音場の広さは似ています。しかし違うのは歪感です。SU-A900は非常に歪が少なくスムーズです。それと比較するとA-1001は、高域の荒さが僅かに目立ちます。TA-F222ESXとの比較では この傾向は目立ちませんでした。音のキャラが違うアンプ同士だった為でしょうか?しかし似たキャラ同士で比較すると SU-A900のスムーズさはひときわ目立ちます。

低音の量感はA-1001の方がありますが、SU-A900も低音が出ないと言う感じではなく、必要にして充分です。

この3台のアンプの中から1台落とすとするとA-1001です。
ミニコンポサイズというにも理由の一つですが、
やはり音としてはSU-A900と似ており、そして歪感でSU-A900に劣るというのが、その理由です。
またオーソドックスな手法であるA-1001と、少しマニアックな手法なSU-A900という意味でも
SU-A900を残したくなります。

では2台落とすとなると・・・これは難しいですね。

※2006年追加、結局 SU-A900が残りました。

 

 

比較条件

CD-P; PIONNER PD-T06
SP; D-55 バックロードホーン(FE206S使用)


2006年1月に同時に視聴
ソース クラシック大編成のみ

  発売年 価格 重量
A-919 1990 160000 26.6
AU-α707L EXTRA 1989 145000 22

 

ONKYO
A-919

VS

SUNSUI
AU-α707L EXTRA

A-919 完全ツインモノ構成の効果か 音の左右方向の広がりがよい。A-817系統のONKYOのアンプは高音にキャラクターがあったのですが、このアンプにはそういったキャラクターは無く、しなやかな音のように感じます。 高域はドライではなくウエット傾向。聴き疲れせず長い間聞けるアンプです。低音は量感・パワーに優れますが、ゴリゴリといったがっしりとした低音とは違う感じで、弾力性のあるふわっとした低音です。ただしスピーカー端子が1組しかないので我が家では出番が少ないです。いわゆるMOS-FETらしいサウンドはあまり感じません。

AU-α707L EXTRA これも音はバランスが良いですね。キャラクターを感じません。低音もしっかり出ますし、高音もうるさくありませんが透明感もあり好感が持てます。長岡鉄男氏もLAPTモデルは707が一番良いとコメントしていたような記憶があります。ただMOS−FETの音が好きな方は、LAPTは代わりにはならないようにおもいます。音のキャラとしては良い意味でも、バイポーラートランジスタの範疇にとどまっています。A−919と比較すると左右方向の広がりは少ない。

時間がなくて 色々なソースを試聴することが出来なかったが、音のキャラクターは両者似ており、総じて差が少ないと感じた。

 

 

比較条件

CD-P; PIONNER PD-T06
SP; D-55 バックロードホーン(FE206S使用)


ソース クラシック大編成のみ

  発売年 価格 重量
TA-F222ESX 1986 67000 13.6
TA-F555ESL 1990 150000 24

 

SONY
TA-F555ESL

VS

SONY
TA-F222ESX

値段・重量ともに2倍程度の開きがあるアンプの比較です。年代は違いますが、同メーカーの同シリーズなので興味がありました。TA-F222ESXは終段バイポーラートランジスター、TA-F555ESLはMOS-FETという違いはありますが、同じ回路に 同じ材質のGシャーシを使用しています。

これは明らかな差が出ました。一聴して違いが判ります。2つのアンプは、同じ基調ではありますが、555ESLの方が歪感がなく楽器の描写も立体的で音場も見とおしが良く、ホールの空気感も良く表現する。包み込むような低音も良い。以上の点で222ESXはすべて555ESLに明らかな差をつけられている。

バイオリンもやや繊細な音ではあるが嫌味にはならない。しかしナチュラルという感じではなく少しキャラクターは残っている。それでもそのキャラは222ESXよりは少なく聴きやすい。

222ESXは弦の響きも美しく分解能もあるがやや耳に付く音があり、555ESLに負ける。音場の広さも決して狭くはないが、555ESLの自然な感じにはかなわない。音像の展開する範囲は同じ程度だが、555ESLのそれには囲いがないような感じだが、222ESXは音場の周囲に囲いがありそこから外側からは決して音が聴こえてこないような感じである。低音はD-55であるので、容易には出ない。222ESXは低域があっさりしてバランスが悪い。555ESLもD-55から豪快な低音を引き出すには至っていないが、コントラバスのスケール感のようなものは明らかに555ESLに分がある。

TA-F222ESXとD-55の組み合わせは、中高音のキャラクターや低音不足というキャラが重複するので、あまり合わないかもしれない。


値段的に考えて当たり前のことではあるが率直に言うと 222ESXはすべての点で555ESLに負けている。

 

 

比較条件

CD-P; PIONNER PD-T06
SP; YAMAHA NS-670
ソース クラシック大編成のみ

  発売年 価格 重量
TA-F333ESA 1991 90000 21.3
TA-F555ESL 1990 150000 24

 

SONY
TA-F555ESL

VS

SONY
TA-F333ESA

TA-F222ESXとの比較では、ハッキリ体感できた差が、TA-F333ESAになると非常に少なくなる。サウンドパターンやエネルギーバランスも同じなので、なおのこと差が判りにくい。個性の差はなく、純粋に質の差だけである。

僅かにTA-F555ESLの方が低域の駆動力があるように感じられた。しかし元々TA-F555ESLもそれほど低域が豊かなアンプでもないのに、どんぐりの背比べといった感じである。価格差ほどの差はない。

 

ONKYO
A-919

VS

マランツ
PM-88SEF

暖色系のアンプどうしの対決

余り差が出ないかな?と思っていたが、結構差が出た。価格帯や重量も違うので、無理も無いが、低音の押し出し感や左右のセパレーション、残響音の再生具合など、A-919の圧勝。

PM-88SEFも似た音の傾向で、個人的には好みの音であるが、A-919と比較すると、低域の重圧感で差が出る。耳障りな音は出ないが、低音の圧力や音の厚みなどは価格相応。ただTA-F333ESAと比較するとバランスは良いと思う。

比較条件

CD-P; PIONNER PD-T06
SP; YAMAHA NS-690 U
ソース クラシック大編成のみ

 

 

 

 

オーディオ解体新書>音質対決 アンプ編