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サンスイ AU-α707i

最終更新日 2006年10月17日



正面のデザインは この前モデルのα707と基本的に同一.ピカピカの漆塗りのようなデザインは画期的でしたが内部デザインや回路的にはAU-D707Xと比較して外観ほどは変化がありません.α707の改良機と考えています.主な違いはボリュームの品質とコンデンサー下の定電圧回路のようです.

重さは実測で19キロ(公称は20.5キロ)

1987年発売 129000円
160W+160W(6オーム)
448W×160H×441D



天板は普及機によくある単純なコの字型のもの.裏面の塗装はご覧のとおり.固定するねじも銅メッキされていない.


というかこのアンプには銅メッキパーツは一部を除いて全く使用されていない.


サイドウッド代わり?か サイドに取り付けられたパーツは外観上アクセントにはなっているが,ダイカスト製かと思いきや チープなプラスチック製であった.取り外しには6角レンチが必要.


トランスはさすがにでかい,トロイダルではなくEIコア。電解コンデンサーは2本ペアではなく、違う種類を組み合わせて使用している。アースがフローティングしているバランスアンプだからこそ可能な事である。

AU−D707X などは銅メッキシャーシにトロイダルトランスだったが、AUーD707X DECADEからEIコアに変更されている。AUーD707X DECADEとサイズが同じで このあとのモデルのAU−α707L EXTRAも同じサイズです。138×115×63o、電力容量356VA。一方プリ基盤などはAUーD707X DECADEはむき出しですが、αシリーズになってキチンシールドされています。


具体的にはピュアフォーカス(日立)(80V 6800μF)とグレートサプライ(80V 12000μF)が使用されている。


電解コンデンサーの下にはイコライザーやドライバー段用(?)と思われる定電圧回路がある。ここにはU-CONのグランドユータイプのメタライズドポリエステルフィルムが4つ使用されている。


日本ケミコンのAWDというコンデンサーが全体的に多く使用されている。日本ケミコン社製のハイグレードオーディオ用コンデンサー


アキュフェーズの製品にも多用されているコンデンサーのようです。あとファイナル近くにもU−CONのフィルムコンデンサー(品番不明)が合計4つ使用されています。



また銅箔スチールコンデンサーが所々使用されています。イコライザーの基盤ではNS−Iという品番の黒い電解コンデンサーが頻用されていました。この黒いパーツはコイル。AU-α707ではむき出しであったが、707iでは黒い被覆がされている。

ヒートシンクは指ではじくと盛大に共鳴する。天板に防振材が貼ってあり、天板とヒートシンクに接触するようになっているようだが、入手したアンプでは防振材がヒートシンクに接触しておらず意味を果たしていなかった。


出力段のトランジスターは底板をはずさないと見えない。このアンプの中で唯一銅メッキのネジで固定されている。


707iはMOS-FETは使用していない。
NM-LAPTではない通常のLAPT素子である
サンケン電気製  LAFT素子  2SA1386/2SC3519 が使用されている。

AU-α907iでは 一回りPc(W)が小さいLAPT素子 2SA1303/2SC3284が使用されている。

AU−α707L EXTRAからは、非磁性体化されたNM-LAPTが採用となる。


足は5脚であるが、軽量級。



電源ケーブルもキャブタイヤでなく いわゆる家庭用電気製品のケーブルである。ボリウムのつまみの無垢ではない。トーコントロールのつまみなどは引っ張っただけで抜けてしまうプラスチック製で39800円のアンプと同じクオリティーで、少しいただけない。


メインの基盤

ここに4ch分のアンプ回路が組んであり、BTL接続されている。



一部であるがADW以外の音響用コンデンサーも使用されている。AVFコンデンサーかな?


側面に配置してあるイコライザーやセレクターの基盤.面倒なので取り外しはしなかった。

音は強力な電源部に支えられたゴツイ音がします.79800円のクラスとは全然違いますね.キャラクターも少ないように思います.

発熱はやや多めです。

SOUNDTOPS別冊 1988年 オーディオ徹底解説という雑誌に、
藤岡誠氏のコメントがありました。
AU-α707のグレードアップバージョンである。基本となるデザインに変更は無く、漆黒にして光沢のある独自の美しさを持っている。回路構成はα−Xバランスサーキットであることは言うまでもない。実装SN比を向上させるために6連ボリュームを装備。出力は6オーム時で160W+160Wである。607と907の狭間の製品であまり話題にはならないが、実は完成度が高く、音質面での出来栄えはかなりのものがある。なかなか高密度なサウンドであり、極端にFレンジを欲張ることなく、バランス感覚に優れているのが特徴。特に中域から中高域にかけての高密度な感じは見事で、低インピーダンス駆動能力も優秀である。

 

 

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