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CDP-555ESD

最終更新日  2006年4月8日

1986年 150000円

430×123×395mm 13.5キロ

フィリップスTDA1541A(IC401) 16bit L/R独立DACを1個搭載


CDP-553ESDの後をついで発売された。16ビット4倍オーバーサンプリングDACとオーソドックな電子回路。特別な回路は搭載していない。

何より特徴的なのはその徹底した物量の投入である。底板はジブラルタルシャーシというレンジコンクリート製。天板なども分厚いアルミ製。本体シャーシは全面に銅メッキを施されている。メインの基板はデジタル・アナログ共通であるが、ガラスエポキシ製の強靱なものを使用している。アナログ回路のコンデンサーは ELNA DUOREXが使用されている。DACは フィリップス製16bitDACのTDA1541Aでその上には銅のチップが貼り付けられている。

トランスはデジタル・アナログ別で 置き場所が無いのと 電磁波の放射を嫌ってなんとシャシー後部に突き出る形でマウントされている。

出力は アナログ2系統(固定出力・可変出力)とデジタル出力(同軸のみ)、アナログの可変出力は内部ボリウムをモーターで駆動しておりリモコンで出力調節が可能。


背面に突き出したトランス
ケースのサイズは 82×73×63ミリ
容量は24.3VAと21.6VA
ACケーブルも 太くて堅いキャブタイヤが使用されている。

 


天板は金属製のスペーサーを介してネジ止めする方式。
ネジ穴から銅メッキされたシャシーが覗く


天板裏にはフェルトが貼ってあります。しかも左右で違うフェルトが使用されています。
アルミ製で1050g


天板は肉厚のあるアルミの板で曲がりません



中は銅メッキシャシーでピカピカです。
コンデンサーの頭に銅箔が貼られてあるのは・・・・私がやったと思います(笑)。
もう10年以上前の話なので記憶にはないのですが、オリジナルではありません。
側板もアルミ板で丈夫。


 


デジタル系回路

デジタル系回路にもオーディオ用コンデンサーのMUSEが惜しげもなく使用されています。効果あるのでしょうか?


M6404A-174
オキ電気製マイクロコンピューター
勿論すでに廃盤

その上にあるチップLC6523Hは 詳細不明


モトローラ MC74HC02
ハイスピードCMOSロジック


 



オーディオ系の回路
完全左右対称の設計です。
ヒートシンクも銅メッキされてホレボレしますね。
コンデンサーはELNAのDUOREXです。

 


フィリップスTDA1541A ワンチップですが 内部で左右独立になっているそうです。上に張られているのは銅チップのはずです。



オーディオ出力の最終段はオペアンプが使用されている。
左右別でJRC5523DDとNE5534Pが使用されている。


 


ピックアップ後方 通常のCDプレーヤーならトランスが置かれている場所に デジタル系(?)の電源回路があります。右上の黒い塊はラインノイズフィルター


電源スイッチの裏側
少しでも電気抵抗を減らすために、ジャンパー線をハンダ付けされている。

 


デジタル系の電源回路だと思うのですが、使用されている電解コンデンサーは DUOREX・MUSE・FOR AUDIOの3種類。非常にゴージャスです。


 


メインの基板上にある電源回路;こっちがオーディオ用の電源回路でしょうね。

 


右のデカいフィルムコンデンサーは VXコンデンサー。
メインの電解コンデンサーはDUOREXの35V 6800μF。デカい・・・


 


その横にある回路はヘッドホン用の回路だと思います。そこにもELNAのDUOREXコンデンサーを投入してあります。出力用のオペアンプはJRCの5532DDが使用されている。


 


当時の価格で15万円ですが、いまつくるとどの位するんでしょうね・・・


ピックアップ  リニアモーターです。既にメーカー在庫なしで故障時には修理できません。


CDのトレイ裏側
防振材が貼られている。

 



裏面

このモデルの特徴になっているジブラルタルシャシーです


脚はシャシーと一体式になっています


これだけで3キロあります。CDプレーヤーでジブラルタルシャシーを採用しているのはこのモデルだけです。


ジブラルタルシャシーを取り除いたところ

なにやら基板裏にもコンデンサーが(^_^;)
これも私がやりました(10年以上前に)。セラファインコンデンサー(合計12個;容量は色々。一部はフィルムコンデンサーを並列接続処理)を裏から取り付けて容量Upしたのですが、これは結構音が変わりましたね。ひずみが減ってスッキリして透明度が増して、低音のパワーも増しました。


一応ショート対策しています


要所要所に防振材が貼られている。


上側が沖電気製 M5128-20 ; C-MOSダイナミックRAM
たぶん8ビット(すでに廃盤)

下側がSONY CXD1125 定番のチップ、ピックアップからの信号を処理するチップ

 


SONY CXA1082A
これも信号処理用のチップ

 


メカ部の裏側
トレーの駆動のトラブルは宿命的なもの
写真左上のモーターの駆動力を2つのゴムベルトで左下にあるプーリーに伝達される。
このベルトが硬化して滑るのだ。

トレー自体は左下と右下のプーリーに張られたワイヤーの動きで開閉する。


トレーを駆動するモーター(取り外したところ)


取り外した2本のゴム
右端のものは 市販されている一般的な輪ゴム



こういう作業は 部品の配置やコードの接続が判らなくならないように、写真を撮りながら進めている。

 


モーター駆動のボリウム


基板はグラスエポキシ製で半透明、裏にてをかざすと透けて見えます。


こんな感じで向こう側が透けて見えます
デジタル出力は切り替え式で、アナログ出力と同時に使用することは出来ません。

音はこちらを参照

長岡鉄男氏はFMファン誌でのダイナミックテストで以下のようなコメントを残されています。
音は正攻法で、厚めの低音をベースにしたピラミッド型構成でじっくりと聴かせる。切れ込みは鋭すぎずほどほどだが力があり、輪郭は確か。エコーはたっぷりとして雰囲気がよく出る。音場も奥行き、高さがよく出て、しかも野放図に飛び出すタイプではなくて適度に抑制が効いた密度の高い音場で安心感がある。DAS-703(別売りDAコンバーター)に接続すると印象はかなり変わる。音質的にも音場的にもDレンジが広がった感じで、爽快・豪快である。一般的には555ESD単体の音のほうが無難。サウンドマニアだったら703との組み合わせの方が良い。

しばらくの間 同氏のリファレンスCDプレーヤーとして活躍しました。(1986年ダイナミックテスト大賞 部門賞)

 

 

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