ONKYO D-77FXU
1992年発売 62000円×2台
D-77/D-77X/D-77XX/D-77XD/D-77XG/D-77FX/D-77FXU/D-77RX/D-77FRX/D-77MRX・・・・という
シリーズ7代目のモデルです。
D-77FXとそっくりですが、横幅が僅かに拡大され、重量も1キロ増えています。
一応3ウェイ・3スピーカーですが、変形タイプの2ウエイスピーカー(?)のような構造です。
ツイーターとMIDのクロスは 2000Hzですが、
ツイーターとウーハーのクロスも2000Hzなのです。
サイズ 380×680×350
重量 29キロ
MID-4コンセプトという設計で、MIDに4オクターブ相当の広域な周波数を担当させる設計になっています。
ホーン型ツイーター
GS-1の開発で培われたホーン断面積解析技術が応用されている。
振動板は アルミとマグネシウムの合金が使用されている。
4本のビスでバッフルに固定されている。
実は購入時故障していたので、ONKYOで修理してもらった。
ボイスコイルが断線しており、振動板一式を交換されて戻ってきた。
品番は TW090601C
重量は1.5キロ
ホーンは鋳物製。マグネットは直径80×8と直径90×13
すでにONKYOには在庫は無いが、1万円くらいで修理可能ということでした。
MID
バイオクロス振動板採用
バイオクロスというのは、北米産のパルプを主原料に、自然界に存在する繊維質ではもっとも強靱とされるホヤの繊維を絶妙のバランスでブレンドものということらしい。
鉄板プレスフレーム
重量は2キロ
マグネットは 直径100×18と直径90×13
4本のビスでバッフルに固定されている。
品番はMD-1616A
エッジはゴム製
経年変化で、硬化して破断してしまうので要チェック。
ウーハーユニット
3.75キロ
センターキャップは非常にやわらかく凹み易い。
27cmのウーハーということになっているが、
フレームの幅は29センチ
エッジを含めた振動板の幅は23センチ
正味の振動板の直径は19.5センチである。 振動板の材質はMIDと同じバイオクロス。
鉄板プレスフレーム
D-77XGの世代より コストダウンを感じる。
叩くとカンカンと良く鳴く。
マグネットは直径120×17と直径100×14のダブル
6本のビスでバッフルに固定される。(鬼目ナットではない)
スピーカー端子は使いやすいが、
裏側にツイーターのネットワークが取り付けられており、配線の最短距離なので
ピスを取り外しても、 スピーカー端子は脱落しない。
MIDは木製の独立したキャビネットを持っている。
内部は単純な立方体で、特に補強は無いが、ごらんのように吸音材が
立体的に固定され、定常波の発生を抑制している。
ウーハーの取り付け穴より撮影
裏板には、ウーハーの抜き穴が貼り付けられている。
上側がMIDのキャビネットの底面になる。
木片で、裏板とMIDのキャビネットが連結されている。
補強材は 最小限であるが、MIDのキャビネット自体が強力な補強材として
役立っている。なおMIDのキャビネットは正中に固定されておらず
やや右側に偏って固定されている。
ツイーターのネットワークのコイルが、こんなところに取り付けられている。
固定は不完全でグラグラする。他のコイルとの電磁波干渉を嫌って、この場所に
設置されているのだろう。
ウーハーのネットワーク
ウーハーの向かって右側に設置されている。コイル×2、電解コンデンサー×2、抵抗×2、フィルムコンデンサー×1という組み合わせ。フィルムコンデンサーにはブチルゴムが巻いてある。
MIDのネットワーク
ウーハーの左側に設置されている。コイル×1、電解コンデンサー×1、抵抗×2、フィルムコンデンサー×1、ウーハー用と同様にフィルムコンデンサーにはブチルゴムが巻いてある。どうやらMIDは、低域側をカットせずにそのままスルーで使用しているようだ。フィルムコンデンサーはおそらくドイツ製のWIMAだろう・・・。
サウンド
ホーン型ツイーターらしからぬ、マイルドなサウンド。クリアで切れの良いサウンドとは正反対で、ピアノとか小編成弦楽器曲などは今ひとつ。ぼやけたサウンド。チェロの音も間が抜けたこもった様な音になってしまう。私はチェロを習っているが、チェロはこんな音はしない。
低音は量感はあるが、底力もそこそこ。100HZ前後の量感はあるのだが、低い方まで伸びてこない。MIDのキャビネットに容量を取られて、ウーハーのキャビネット容量が不足しているのではないだろうか?
ゆったりした落ち着いたサウンドとも言えるが、個人的には NS-690Uの方が好み。信号に忠実な音を再生するスピーカーではない。色々聴いてみたけど、忠実再生より雰囲気を重視するタイプのスピーカーのようだ。
後継モデルのD-77RXでこそMID-4コンセプトは維持されたが、その後のD-77FRXやD-77MRXでは、同コンセプトは放棄され、オーソドックスな3ウエイに戻ってしまう。
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