オーディオ解体新書>KENWOOD DP-7040

 

KENWOOD DP-7040

最終更新日  2006年10月5日


W440×H127×D312.5
重量7kg 53800円(税別)
消費電力15W

SONY製1ビットパルスDAコンバーター CXD2552を搭載

オーディオブームの終焉
力の入った製品が姿を消していった1992年発売の製品です。
1ビットDACですが、D.R.I.V.E.が採用される前の製品です。

1991年のステレオ誌の”14人の評論家が選ぶベストワン”という企画で、
上杉佳朗・江川三郎・山中敬三の3名がこの製品を選ばれています。
(5-7万円未満のCDプレーヤー部門)


オークションより写真拝借
(出品者には承諾済み)

DP-7040の売りは当時のカタログを参照すると以下のように記載してある

ハイプレシジョンマスタークロック

1ビットD/Aコンバーターのリアリティーは時間軸のゆれ(ジッター)に大きく左右される為、この時間軸の元になるマスタークロックの純度を如何に高めるかがきわめて重要です。そこでDP-7040では電源やグランドの影響によって発振周波数が変化することがほとんどなく、常に高い純度のマスタークロックが得られるハイプレシジョンマスタークロックを採用。これにより1ビットD/Aコンバーターの優れたリアリティーをを余すところなく発揮させます。

AB-CLASSピックアップアクチュエーター駆動回路

AB-CLASSピックアップアクチュエーター駆動回路は、動作中点における不連続動作をなくしてグランド電位の急激な変化を抑え込み、グランド電位が内部から揺すられて起こる音質劣化を防いでいます

RF位相等価補償回路

等価補償回路はAM/FMノイズの回り込みを見直し、RF信号での純度を失うことなく、低い方から高い周波数までの位相ずれを抑え、原信号に忠実な伝送を実現

高剛性構造

音圧を最も受けやすいフロントパネルには3ミリ厚のアルミ材を使用。それを支えるシャシー部も1.6ミリの鋼板をビーム状のベースにした高剛性シャシーとツインビーム構造によるメカフロアを採用。耐震性を高めています。

カスケード差動型出力アンプ

D/Aコンバーター直後の出力アンプに高い周波数(10K-20KHz)における2次歪を抑えるカスケード差動型を採用。片チャンネルごとに正相逆相の出力歪を抑制、信号変換後も徹底してリアリティーを追求

その他

  • 直径60ミリの大型インシュレーター
  • CDデジタルピークサーチ
  • 最大40枚記録可能なディスクファイル機能
  • モータードライブリモコンアウトプットボリューム
  • スーパーオプティマサーボ


天板は鉄板のプレスもの 叩くと当然鳴る
左右各3箇所 後ろ2箇所の合計8箇所でネジ止め


背面 デジタル出力は光のみ アナログは固定と可変

底板 足はプラスチック製


中の様子 センターメカ
メカ部分にはダイカストなどは使用されていない。
フローティングもなし
この辺はDP-1100SGとずいぶん異なる
メカ後方にトランス 左にデジタル基盤 右にアナログ基盤は配置されている。

メカ本体は見えないが、これはスピーカーからの振動がピックアップやCD本体を共振させるのを防止させるため密閉構造にしているためです。


このフラットケーブルが オーディオ基板にデジタル信号を送るケーブル。


トランスはケースに入っているが樹脂などでは封入されていないようだ。みなみに左右に伸びている細い線がデジタル・アナログの基盤に電力を供給するケーブルで極細サイズ。この電力を元にオーディオ信号を作られるわけだが、細すぎる印象を受ける。

 


デジタル基板


デジタル系の電源回路
SMEコンデンサーが使用されている。


ピックアップのサーボ量を調節する箇所だろうか


オーディオ基板
前後にグランド電位を安定させる銅のバーが使用されている。

シャシーに普通に取り付け。フローティングはされていない。

 


コンデンサーはエルナー製が使用されている。
銘柄は不明。 茶色いフィルムコンデンサーはDP-1100SGやDP-7020でも汎用されている。

 


大きな松下製のフィルムコンデンサー 2個使用されている。


オーディオの出力段だろうか
ひとつだけ色の違う電解コンデンサーが使用されている。シルミックかAWFコンデンサーだろう。カタログによると ここが差動回路(カスケードプッシュプル回路)を構成しているということらしい。


オーディオ基板の裏側


ソニー製の信号処理チップ  CXD2500が使用されている。CDP-777ESAやX777ESなどにも使用されている。


SONY製1ビットパルスDAコンバーター CXD2552
この1つのチップの中に4つのDACユニットが入っている。



左右Channelで2個ずつ +/-で差動動作させているのだろう。CDP-X777ESやX333ES X55ESにも使用されていた。

CDP-555ESA CDP-555ESJなどの SONY次世代モデルではアドバンスパルスDAコンバーターと呼ばれる第2世代チップCXD-2562が使われている。

ちなみにDP-7020の前モデルのDP-7020もCXD2552を使用している。次期モデルのDP-7060はソニー製DACではなく、フィリップスのTDA1547を採用した。最終モデルのDP-7090はPCM1702を8個搭載したのは有名な話である。
DP-7020には正面右手にindexキーが20個あったが
DP-7040では省略された。
ちなみにDP-7010はセンターメカではない。
DP-7030というのもあったようだが国内で流通したどうか不明(輸出モデル?)

後継機種のDP-7050は上記のDACの変更とあわせてハイプレシジョンマスタークロックが強化されて、アドバンスド・ハイプレシジョンマスタークロックと名づけられて搭載されている。発振回路をディークスリートで構成したものらしい。あと僅かに電解コンデンサーが強化されたらしいが、その他は共通である。外見もほぼ同じ

(ケンウッド社 提供の資料による)

音のコメントはこちらを参照

1991年のステレオ誌の上杉佳朗氏コメント
この製品の魅力は、CP比が高く、7万円弱の価格帯の実力を持っていることだ。歪み感を感じさせず、秋晴れのごとく爽やかなプレイバックぶりも印象的だ。

同誌 若林駿介氏のコメント
この価格帯で大変堅実な仕上げがなされているし、大変耳障りの良い、聴きやすい音がしているのが良い。


オーディオ解体新書>KENWOOD DP-7040