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KENWOOD LS-SE7

金具を使って天井から吊り下げる目的に購入。特にこの機種にはこだわりは無かった。
→結局、予定を変更してNS-10Mを吊り下げた。


振動板に小音量高音質再生をサポートする新素材パールマイカ材を採用・・・ということらしい。
「LS−SE7」
●使用スピーカー:12cmコーン型ウーファー・2.5cm逆ドーム型ツィーター
●最大入力:40W
●定格入力:20W
●インピーダンス:6Ω
●最大外形寸法:164(W)×283(H)×242(D)mm
●質量:4.2kg(1本)

KENWOODが1997年秋に発売したシステムコンポAVINOシリーズの「SE-7MD」にセットのスピーカーである。スピーカー本体はマレーシア製で、スピーカーユニットはインドネシア製である。


でっかいバフレフポート。


エッジはゴム製。


ツイーター。プロテクターは金属製のように見えるが、プラスチック製。


スピーカー端子は、まあこんなもんでしょ。
割と使いやすく、常識的な3.5スクエアのようなスピーカーコードも楽に使用できる。


サランネットの取り付け部分のゴムを外すと、ビスが現れます。


4本のビスを外すと・・・・????!!!!
なんじゃこれ?


バッフル・・・というか化粧板をいうか・・・。
ポートは紙パイプですね。


ツイーターは化粧板に固定されている。
Wマグネット。


こんなものが必要なんでしょうか?音質悪化するだけしょ・・・。


逆ドーム型のツイーターです。
周囲のビスを取り外してみましたが、接着してあるようで、これ以上は分解できず。


ウーハーは、プラスチック製のハカマのようなアダプターを介して、本来のバッフルに固定。
ぽか〜〜〜んという感じ。プラスチックの固有音を生かした音作りなんでしょうか?


まったく意味不明。


インドネシア製


振動板自体は、スタンダードなコーン型。
センターキャップの代わりに、逆ドーム型の振動板を上から重ねている。

 


ネットワークはウーハー、ツイーターとも -6dBのシンプルなもの。

ツイーターには、3.5μFの電解コンデンサー(一応日本製だった)、
ウーハーには、4.2mHのコイルが直列に入っている。


吸音材は少量。ポートを塞ぐようになるので、ダンプドバフレフになるだろう。補強材は一切なし。

 

音は、ハイエンドを欲張らずに耳辺りを優先させた音作りで、ツイーターもこの価格にありがちな、外見だけのお飾りではなく、しっかり仕事をしている。低域はバフレフポートが効いているのか100Hz付近の量感もまずまず。エネルギー感とかは当然ない。スピーカーと構えず、楽に聴ける製品だと思う。


CDPは、ソニーのCDP-XA5ES
アンプは、サンスイのAU-α707L EXTRA を使用。
スタンドがないので、YAMAHA NS-690 U の上にちょこんと乗せて再生。
そのままだと不安定なので、天板の上に5キロの鉛ブロックを乗せた。

対決するスピーカーはSX-900.(笑)。だって配線変更するのメンドクサイから・・・。

木管楽器だけに限れば、LS-SE7もなかなか良い。オーボエとかは結構いける。クラリネットやフルートとなるとちょっと苦しい。当然ながらFレンジ、ダイナミックレンジ、エネルギー感というのはSX-900と全然勝負にならない。その辺は相当な差がある。音場感も差がつく。元々小型スピーカーの方が音場感では有利だが、SX-900までに高剛性&高分解能な製品ともなると音場感もなかなかなで、差をつけられる。残響音とかも露骨な差があって、同じソースを再生しながらパッとSX-900からLS-SE7に切り替えると、思わず笑ってしまう程の差です。

でも・・・・LS-SE7、悪くない音色ですよ。ムリが無い。必死感がない。耳に付く音が少ない。音量を上げると中域のひずみ感が目立つ程度。

さてSX-900なんぞという、格違いのスピーカーと比較しても・・・という声も当然あると思うので、SX-F3と比較してみた。両者とも超低音の再生は当然ムリだけど、中低域の再生はナカナカ頑張ってくれている。ただLS-SE7は一寸ボンボン言っているようで、締りが無い。またその上の周波数帯域では、LS-SE7は一転して少しドライな感じで、音の厚みが控えめになる。また高域は嫌味にならない程度のスパイスが効いている。これはLS-SE7がどうこう・・・というより、ケンウッドサウンドなのかな〜とも思う。SX-F3はLS-SE7に似たところもあるが、中域の音が暖かく、あっさりした表現にはならない。LS-SE7は、先にも書いたが、フルートなどは音が細くなり、金管楽器も痩せた音になって安っぽい軽い音がする。オーケストラなどの音の厚みも苦手のようだ。逆にSX-F3の音が重すぎると感じる人もいるかもしれない。

 

 


 

 

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