オーディオ解体新書>NS-1000X 改造 その1
NS-1000X 改造最終更新日 2006年6月11日 |
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NS-1000Xを改造することにした。コトの始まりはSS-A5の購入であった。このスピーカー、最初は侮っていたが意外と良いスピーカーで、次第にNS-1000Xの出番を奪ってしまったのである。目に付いてきたNS-1000Xの嫌なところは、高剛性でありながら、やっぱり高音が勝ちすぎている印象で、ちょっと音が硬いというところである。 色々調べたが、ユニット本体に問題があるようだが、ネットワーク変更やクロス周波数の変更でかなりその辺の感じが改善できそうなので、改造に踏み切ることにした。まず情報集めであるが、奇しくも掲示板にWEST氏のNS-1000Xの改造体験記をカキコ頂き、それを元にアレンジすることにした。コンデンサーの容量は比較的簡単にわかったが、コイルの定数はWEB上に情報が無かった。やむなくYAMAHAに直接お尋ねするに至ったが、2−3日で丁寧な御返事を頂くことだが出来た(感謝)。 事前に集めたパーツは以下のリストのとおりである。実際こんなにはいらないのだが、クロスを変更する予定なので微調節の必要性を考え、少し・・・というか だいぶ多めに注文した。
合計4万円を超えてしまった。双信のSEコンデンサーなども欲しかったが、0.001μFで3685円もするので断念した。コイルは純正のフェライトコアコイル(市販価格200円〜)を再利用する予定であったが、取り外しに多大な労力と時間を要しそうだったので、諦めて全部を最初から作り直すことにした。 他にも下記ケーブルを準備
予行演習として、S-77TWINSDを改造、まずまずの手ごたえだったので、5月の連休を利用して作業に着手した。ノーマルの状態のNS-1000Xについてはこちらのページをまずご参照ください。
まず分解しましょう
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100円ショップで購入した3角の木材を隅木として追加した。 |
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見ての通り、ターミナルなどは使用していない。
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スコーカー用も完成 これには無鉛ハンダ(銀・銅購入)を使用した。ネットでも高価で取引されているが、ホームセンターでも安価で販売されている。ただし半田ごての出力は80W-100Wあった方が良い。特に一度融解して固形化したものを再度溶かす場合は、なかなか解けずに手間がかかる。 ネットワークの作成だけで1日必要でした。 ハイパスのコイル(solen)は、方向を変えて固定した。(言うまでも無いが、コイル同士の相互干渉を避けるためである)斜めに取り付けたのは、スピーカー内部の定常波を少しでも分散させるためである。
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ウーハーはオーディオテクニカのOFCケーブル AT613Bを使用した。 |
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オリジナルは高さがあるので、容積としては同等 あとはスピーカーに入れるだけ・・・って
吸音材は、グラスウールは全部撤去した。当初はカットアンドトライで検討するつもりであったが、このネットワーク取り付けだけでも一晩かかっているので(※)、チクチクするグラスウールと悪戦苦闘するのは却下とした。 ※以下の作業に一晩かかった
100円ショップで購入したポリエステル綿を使用した。1つのスピーカーに200円分を使用。オリジナル相当の吸音材の量にするには400円分くらいは必要。
ツイーターとスコーカーの、アトネーター→各ユニットへの配線コードは、オリジナルを流用した。
音出し音悪い!! オリジナルと比較すると、奥に引っ込んだ音で痩せたサウンドである。 アトネーターの配線ミスですね。 アトネーターの配線を修正しました。低音も20分ぐらい音を出していたらどんどん出るようになり、今では改造したほうが良く出ます。特に40HZ付近の音量は明らかに改造した方が良く出ます。吸音材の違いでしょうか?曲によってはややボンツキ気味ですので、もう少し吸音材を増やした方が良いのかもしれません。あるいは穴を開けてバフレフにしてしまうとか・・・・。現状でスイープを再生すると天井から ピシピシ ばきっ と きしむ音がします。 中域や高域も音色の違いがあり、サイン波を再生しても、全然聴こえ方が違います。現在エイジング20時間程度。音の好みもありますが、オリジナルは音に艶がありますね。改造版はその艶というかキャラが無くなって聴きやすい音になっています。ピアノなどは改造版の方がいいですが、チェロのソロを短時間聴くとしたらオリジナルの方が良いですね。コントラバスのズゴズゴいう低音や躍動感は改造版の方が良いです。 現在エイジング20時間くらいでこんな感じです。総括としてスピーカーのキャラが変わり、どっちもありだな・・・・というのが現状です。 |
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今後の方針 まず完成(?)した片方のエイジングを進めつつ、もう片方の改造に着手しますが、 コンデンサーの容量を変更するだけでは、好ましい結果を得られそうにありません。 予定としては、ツイーターのコンデンサーを3.4μFに スピーカー端子も交換予定で、交換したスピーカー端子に穴を開けて、 |
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周波数特性を測定しました。 WaveGeneとWaveSpectraは、efu's pageで配布されているフリーソフトです
中高域の特性は見事に一致しています。多少コンデンサーやコイルの定数が若干変わったところもあったのですが、誤差の範囲でノーマルと全く差が無いことがわかります。10KHZ以上が急降下なのは、このツイーターの特性です。スーパーツイーターを追加しても面白いかもしれません。 3KHZから6KHZにDIPがあります。これはNS-1000Xのキャラクターで、過去のFMファンのダイナミックテストでも 長岡鉄男氏がこのDIPのことを指摘されています。ツイーターのアトネーターをMAXにして、フラットにしようと試みたのですが、MAXにしてもF特は変化しません。聴感上はDIPが改善する傾向を感じますが、測定に現れるほどではないのでしょう・・・・。マイクの特性かもしれません。 注目は40HZから60HZの差です。明らかに改造後の方が低音が出ています。これはサイン波を再生しても、音楽CDを再生してもハッキリ差を感じることが出来ます。この差は吸音材の変更に寄るものでしょう。ただ |
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ツイーターからは音が再生されなくなります。F特性は、4HZから急降下になりますが、15KHZくらいまでスコーカーから高音が出ている事がわかります。ネット上で言われているように、NS-1000Xのノーマルのネットワークでは、スコーカーの高音が絞りきれていないと言う意見に矛盾のない結果となりました。 |
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このとき気が付いたのですが、3KHZから6KHZが陥凹しているのではなく、400HZから3KHZが上昇しているために、相対的に3KHZ-6KHZ DIPに見えているのです。 |
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アトネーターを3目盛り絞ると、丁度フラットになることが判りました。
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ノーマルのNS-1000Xは、スコーカーを絞る前は、改造後と優劣つけ難いが、この状態で試聴すると声の張りが無く、ドンシャリ傾向で冴えない音です。F特ではフラットなのですが、聴感上は中だるみの音です。 一方、改造したNS-1000Xは、スコーカーを絞ることによって更に自然な感じとなり、明らかにノーマルと差をつけて、音が良く感じます。嫁にも試聴させましたが、”改造後の方がやさしい音で好き”といわれ、何とか面目を保ちました。 これは思いも掛けない発見でした。この結果を踏まえて、クロスオーバー変更を決断しました。
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