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YAMAHA NS-670

ハードオフに鎮座しているのを発見。一見して普通のスピーカーではない。
表面の仕上げも見事。状態も良さそう。持ってみるとズッシリ重い。
NS-670???
NS-690の下位機種であろうか?少し悩んだが・・・

買いである。


左右対称ではなく、左右の区別はない。
この当時はこれが当たり前だったようである。

1973年頃の製品 当時1台45000円であった。
なんだ4
万円のスピーカーかと思うなかれ
当時の警察の巡査の初任給は40600円、大卒の初任給36000円だった。
初任給では片チャンネルも買えない。今で言うと左右セットで40万円のスピーカーということか?
ちなみに当時はタクシーの初乗り料金が130円、アンパンは25円、盛りそば150円だったようだ。

実測で 320W×575H×270D
NS-690よりワンサイズ小さいスピーカーである。
ウーハーとスコーカーのサイズはNS-690より少し小さめであるが、ツイーターに関しては、NS-690と同じユニットである。

重量 約20キロ
サイズの割りに、ズッシリ重い。
クロスは 800Hzと6000Hz
能率は低めで88dB


とても33年前のスピーカーには見えない。


なんとなく気品がある。



ちなみにこちらがNS-690(初代)です。
NS-690にはT〜Vがあり、使用されている木材やウーハーの材質、エッジの材質、表面の仕上げなど、細かいところが異なり、音も若干違う。


NS-690の初代に限り、マルチアンプ用のスピーカー端子が背面にあります。
バイパスプレートを外して、チャンネルデバインダー+アンプ(最低3台)を取り付ければ、マルチアンプ駆動できます。当時ブームになったのですが、それだけの機器を準備できる方も少なく、すぐに下火になりました。NS-690Uからは省略されています。



NS-021とNS-670のサイズ比較
両方とも25センチのユニットを使用している。


奥行きはNS-021のほうが大きい


側板と天板の厚みの比較
これも購入を決めた理由のひとつ
金がかけられているスピーカーである。 これで悪い音がするはずがないと判断。
実際板の厚みは、ワンサイズ大きなNS-690と同じであり、実質的にNS-690より丈夫なキャビネットになっている。
バッフルは25ミリ厚の合板
天地左右は20ミリの合板
背面のみ25ミリ厚のパートボードが使用されている。


スピーカー端子はワンタッチ式
この当時はこれが常識だった。
裏板はネジ止めしてあるが、ネジを全部外しても裏板は外れない。


ネットは腐っている。
長く使うなら張り替えようと思う。
枠は木製である。


ネットワークはNS-1000Mと同じように、スピーカー端子裏に集中して設置されている。
メンテナンスは楽であるが、音質的なメリットは無い。
振動に弱いし、各素子が干渉するし、
ウーハーのマグネットの直後であるので、ウーハーの音圧や磁気の影響も無視できない。


2階建てで、1階に4つのコイルが設置されている。
コイルは全てフェライトコア入りである。容量は記載がないが、オーディオの足跡によるとウーハー用は4.5mHとのこと。他の3つは資料が無く容量は不明だが、ツイーターのコイルはYAMAHAなら0.3mHだろう。そうするとスコーカーのハイカットのコイルもおそらく0.45mHである可能性が高い。スコーカーのローカットのコイルは多分2..3mHくらいだろう。


左下;スコーカー用の18μF電解コンデンサー(ローカット用)
中央下;ウーハー用の47μF電解コンデンサー
中央上;ツイーター用の2.7μF-MP(?)コンデンサー
右上;スコーカー用の3.5μF-MPコンデンサー (ハイカット用)

使われている線材は、ご覧のようにジャンパー線よりも細い極細の線材が使用されている。


1973年製 ニチコンのMPコンデンサー


スピーカー端子直後から、極細線が使用されている。
こりゃ駄目だ・・・・


25センチウーハー
パルプコーン振動板であるが、NS-600のようなピュアスプールス振動板ではないようだ。
エッジは丈夫で破損は無かったが、やや油分が抜けてしまっているようだ。
センターキャップが独特で、スポンジのような素材が貼ってある。
ボイスコイルの信号線が正中ではないのが違和感あり。


振動板はストレートでなく、いまでいうカーブドコーンになっている。


ウーハーの品番は JA-2501A
マグネットのサイズは直径145×18と強力。30センチウーハーのNS-500Mより大きなマグネットである。


ダイカストフレームだが、フレーム自体は薄めの構造


なぜか(-)側には2本配線されている。
スコーカーも同様に2本配線だった。
ツイーターは1本配線だった。



キャビネット内部
前後を連結する強力な補強材が見える。NS-1000MやNS-1000Xと同じ構造。


表面を波状に加工されたニードルフェルトが両サイド、天地に設置されている。


ウーハー裏のグラスウールの量


6センチソフトドームスコーカー


スコーカーの品番は、JA-0601
マグネットのサイズは直径110ミリ×20ミリ


プレス製造された鉄製のバックキャビティが付いており、内部にはグラスウールが詰めてある。


3センチソフトドームツイーター
NS-690に使用されているものと同一品番である。

保護ネットは無い。よくぞ33年間 潰されずに・・・・。


ツイーター;タンジェンシャルエッジが採用されている。黒いカバーは、ディフューザーであり、指向性を改善するためのもの。接着剤で取り付けられているので、マイナスドライバーでこじれば外れるが、一般的に音が悪くなるので、外さない方が良い。


ツイーターの品番は、JA-0509
マグネットのサイズは直径80ミリ×20ミリで、 NS-1000MやNS-1000Xと同じである。


キャビネット上部のグラスウールは取り出さなかった。


ちなみにフレームはNS-600とサイズが同じなので、ベリリウムツイーターがボルトオンで装着できる。ただしNS-600のツイーターはマグネットが小さいので、相対的にアッテネーターで調節する必要がある。NS-1000MやNS-1000Xのツイーターもボルトオンで装着でき、この場合はアッテネーターの調節は不要のはずである。


ツイーターのトッププレート


NS-1000Xのようにボビンレスで、ボイルコイルを直接振動板に取り付ける構造。


マグネットのサイズは、前述のようにNS-1000Xや1000Mと同じであるが、外観は異なる。


アッテネーターは+-3dBの位置がマークしてある。

なお各ユニットは、写真左下のネジで、ワッシャーとスプリングを介して、鬼目ナットで固定される。


ノーマルのポジションで
黒-青 2.5オーム
青-黄 2.5オーム
黒-黄 0.5オームだった(ツイーター)

スコーカーは以下のとおり
黒-青 2.4オーム
青-オレンジ 2.3オーム
黒-オレンジ 0.8オーム

 


音は雄大

割とコンパクトな3ウエイスピーカーであるが、オーケストラの重量感も良く表現する。少ししまりが無いが低域の量感も申し分ない。刺激のある嫌味な音もせずオケの弦の表現もハッとするものを持っている。SX-7Uのときに気になった、中域の油が抜けたような感じもない。

もう少しエイジングをしてから、他のスピーカーとの比較をする予定。

良い買い物でした。


NS-670のサランネットを張り替えることにしました。しかし木枠に全周、びっしりとタッカーで固定されているので大変な作業。途中で指の皮が剥けてしまったので、残りの作業は嫁に命令。

布地はNS-600のネットから切り取って張る予定。とりあえずNS-600のネットも結構汚れているので、洗濯機で布地を洗います。


ホームセンターで購入したタッカー。1000円以下で実用になる製品が買えた。


ネット取り付け中。


こんな感じ。
全然印象が変わりましたね。
部屋は模様替えの最中&NS-1000X改造中で、ご覧のとおり荒れています。
D-55は売却し、ラックを並べて配置した。

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