オーディオ解体新書>パイオニア S-99TX
パイオニア S-99TX最終更新日 2009年1月31日 |
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1990年発売。 1988年発売のS-99TWINの後継機種であるが、細かいサイズが変更されている。正式にはS-99TWINXという名称。
方式:2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・フロア型・防磁設計
ツイーターの振動板は、同じセラミックグラファイトであるが、見た感じ 色や艶が異なる。 |
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バーチカルツインのフロア型は、S-99Tが第一号であったが、本機はその改良型である。値段は10万円アップしたが、その価格上昇分の音質、音調の向上は間違いなく存在する。音としては限りなくS-1000Tに近い。 エンクロージャーの概観は、使用されている材質の関係もあって、価格相応だ。S-1000Tほどの豪華はない。とはいっても、音波制御のダイレーターは、バッフルのカーブに合わせた一体形成構造にしたり、フロントグリルの独自の曲線を持たせるなどの工夫がある。バッフルへの各ユニットの埋め込みも高度である。ツイーターの振動板はS-1000Tでも使用されたセラミック・グラファイトで、ウーハーは新開発アラミッド繊維混入のパルプコーンである。音調は本当にS-1000Tに近づいた。波面制御の効果だろう、音場が単に広がるだけでなく、整然としている。だから定位も旧モデルよりシャープである。また高域ユニットが、音の伸びや繊細感を表現している。固有音の発生も無い。中高域ついては確実に一皮剥けている。一方中域から低域については、旧モデルに似ているが、質感や分解能力は大幅に向上していて、中高域のクオリティーをしっかり支えている。雄大な中に荒削りではない繊細感がある。かつてこの価格帯は黄金の価格帯であった。本機の出現によって他メーカーが触発され再び活性化することを期待したい。(藤岡) 大変豊かな低域とスケール感があり、堂々とした鳴り方が総体的な魅力といえよう。ピークやディップも無く、F特性も伸びている。オーケストラは癖が無く、ダイナミックで、抑揚感も鮮やかなものだ。高域がいくらか強めであるが、このことが全体の銃身が低いにもかかわらず、音は重くならず、声楽を明瞭にさせ、ボーカルはハスキーなところを聴かせて、このスピーカーの持ち味にもなっている。ボーカルは声が中央に集まり、バックとの距離をつけて一歩前に踏み出してくる。センター定位やのびのびと空間に広がる音場性など、なかなか優れたところである。 大変豊かな中低域、低域方向も大変よく伸びています。中域周辺にも固有音は無い。大変優雅で、音のコントラストと躍動感に満ちている。ふくよかさもある。パワーを入れても出力応じた音圧がきちんと出てくる。そういったパワーバンドのよさが感じられる。バーチカルツインもここまで来たかという感じがします。(藤岡) 個人的にはS-1000TよりS-99TXの方が好きだという感じを持っているのですが、本当にバーチカルツインは完成度が高くなってきた印象がします。特に質感と純度の高さということが高次元で両立した、そしてまた解像度を含めた3つの要素が大変高レベルでバランスされているような感じがします。大変伸びやかで、滑らかで、ナチュラルな質感が出ています。パサパサしたり粉っぽかったりすることは全くありません。もうひとつ素晴らしいのは、低音の伸びやかさ。決して誇張感がないし、素直にゆったり流れ出てくるというあたりに、このスピーカーの完成度の高さを見せ付けさせられる思いがします。さらに要求すると高域のクオリティをもっと極めてほしい。S-5000Tと比較すると、低音の量感ではS-99TXの方があるものの、低域の解像度とか高域の解像度は、桁違いの差がついてしまう。 ステレオ誌1990年12月号で、YAMAHA NS-1000Mと対決する企画がありました。
まとめ
・・・・ということです。
内部の紹介も致しますが、もう少しお待ちください。また私自身まだ聞き込んでいないので、まだ音質についてはコメント出来ません。 |
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