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Victor SP-EXAK1

最終更新日  2009年9月7日


ミニコンポ付属のスピーカーだが、本物の木材をスライスしてプレスした振動板を採用しており、人気が高い。
もっとも購入したのは、デジタルアンプ内蔵のレシーバーの方が目的で、スピーカーは本来の目的ではなかった。職場でレシーバーの方はNS-10Mを駆動していて、このスピーカーは使わないまま放置していた。


蛇足であるが、本体レシーバもデザインは許容範囲。
ただし、リモコンがないとリピートの設定や早送りも出来ないのは ×。
またメモリスロットルもないのは、いまどきのポータブルオーディオとしては失格だろう。

ボリュームは電子ボリュームで、かなり回さないと音量が変化しない。
K2インターフェイス搭載。MP3などに最適化されたK2インターフェイスも搭載しているが
なんにせよ、説明書を読まないと使えないような電気製品は困る。

以下 青字部分は ビクターのホームページから転載。

「ウッドコーンスピーカー」とは、世界初※1、独自の成形工法技術による木製振動板を採用し、楽器やボーカリストなどの原音に迫る自然な再生音を実現したスピーカーです。
従来のスピーカーの振動板素材に比べ、より優れた音響特性を持つ“木”そのものを振動板にプレス成形加工しスピーカーに採用した「ウッドコーンスピーカー」を世界で初めて※1開発しました。
この技術は、当社の“原音探究”へのこだわりのもと、長年培ってきた音響技術により開発したもので、楽器やボーカリストなどの原音に迫る自然な再生音を実現します。

DVDオーディオ、SACDなどの高音質デジタルコンテンツの登場により、コンテンツ本来のクオリティを余すことなく再現できるスピーカーを望む声が高まっていました。
  スピーカーの振動板の主な素材としては、紙パルプ、プラスチック、アルミ等の金属がありますが、音の伝搬速度が高いものは内部損失が小さく内部損失が大きいものは音の伝搬速度が低い、という相反する性質を持ち、伝搬速度が高く内部損失が大きい素材が理想的とされる振動板の特性にとっては一長一短があります。しかも素材が均一なため、あらゆる方向で伝搬速度が等しくなることで定在波が発生しやすく、音質の阻害要因になっていました(オブリコーンや楕円スピーカーは除く)。
  そこで当社は、木材が高い伝搬速度と理想的な内部損失を持ち、異方性の伝搬性質があり、さらに軽くて剛性が高い点に着目し、“木”そのものを振動板にプレス成形加工してスピーカーに採用した「ウッドコーンスピーカー」を世界で初めて開発しました。

当社独自の成形工法技術により、厚さ約0.28mmの木製シートをコーン型およびドーム型振動板に成形可能にするとともに、温度や湿度などの影響による振動板の変形を抑えました。また、自然な音の響きの再現に重要な木材成分であるリグニンなどを損なわず成形することにより、楽器やボーカリストなどの原音に迫る自然な再生音を実現します。さらに、スピーカーの振動板だけでなくセンターキャップなどすべて木製にすることで音色を統一しました。

動板は、伝搬速度が高く内部損失が大きい素材が理想的とされ、木材はその理想に近い特性を持っています。今回、多くの木材の中でも特に優れた特性を持つ無垢のカバ材を採用。しかも軽量で剛性が高く、優れた解像度と歯切れのよいサウンドを再現します。

※2:物体に衝撃が加わった時に、内部でその衝撃を減衰させることで、実際のスピーカーの振動板で内部損失が小さいと、残響が長びいたり、周波数特性に大きなピークが発生したりします。


美しく、高級感のある木目の外観
無垢の木材をそのまま加工しているので、表面に木目が美しく表れ、高級感のある外観になります。

成形加工について
木製振動板成形加工は、下図のフローチャートに基づき成形加工します。カバ材の丸太からロータリー方式により厚さ0.28mmの薄板シートを作成し、裏面に和紙を貼り合せ適正サイズにカット。このシートにV字状の切り込みをつけ、成形時の割れを防止するために潤滑剤に含浸させます。
(潤滑剤は、木製シートに水分を与え軟化させるとともに、シートの中に水分を保持させます。)

1次プレスによりコーン型の基本形ができあがります。乾燥後、熱硬化性樹脂に含浸させ、2次プレス、3次プレスと進め形状を固定させます。最後に、防湿剤を塗布した後で中心および外形を抜くことにより、コーン型振動板形状に完成させます。

潤滑剤の採用と各プレス工程でのプレス圧力、金型温度、プレス時間を最適値に設定することにより、ほぼ100%の歩留まりで成形加工できるようになり、あわせて熱硬化樹脂と防湿剤を組み合わせることで、経時変化に対応できるようになりました。
◎種類(防磁形、JEITA) 1ウェイバスレフ型
◎使用スピーカー 8.5cmウッドコーン型
◎寸法/質量 (W)120mm×(H)161mm×(D)239mm/1.7kg(1本)


サランネットはプラスチック製


端子はバナナ端子も使用可能な、しっかりしたものが付いている。


端子裏に、木片が貼ってある。


スピーカーユニット。
何かのおまじないだろうか?アース電位の安定化?
フレームは贅沢にも鋳物である。
通常のこのクラスでは鉄板プレスフレームというのが相場である。
デラックスなユニット。


中国製


ボビンは紙パイプのようだ。


板圧は15ミリ。箱が小さいので極めて強靭なキャビネット。
まだ左右と、バッフルの上下に、補強板が入っている。
吸音材は ニードルフェルトときめの細かいグラスウールが少量使用されている。
SX-900にも使用されているグラスウールだ。

長いバスレフポートが設置されており、断端は斜めにカットしてある。ネットワークはない。

音は こういった小型のスピーカーにありがちな、がざついた、痩せて音ではなく安心して聴けるサウンドだ。
ただしワイドレンジな音源は当然ながら苦手。
アンプは AU-α907DR、CDPは、PD-T7Sを使用。


ユニット軸上1メートルでの測定。


リスニングポジションでの測定。

 

 

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