TA-F333ESAはGシャーシーを採用したSONYのアンプシリーズの6作目の製品です。外観デザインは333ESLと同じです。回路についても終段にMOS-FETを採用した333ESL
と同じです。なお初段・ドライバー段は従来どおりのバイポーラートランジスタです。
Gシャーシーとはジブラルタルシャシーの略で、ネーミングはジブラルタル海峡の硬い岩壁から取られました。モノはグラスファイバーなどで強化したレンジコンクリートのようなものです。333ESLとの違いですが、細かいコンデンサーの銘柄の変更や内部配線の強化くらいで、変更点は少ないようで、予告なしのバージョンアップといっても差し支えない範囲でしょう。
海外ではTA-F770ESという名称で販売されました。ちなみにTA-F555ESAはTA-F870ESという名称でした。
動作不良のジャンク品を入手。
しかし外観は超美品で殆ど傷らしい傷がない。
持っていても 多分捨てるから・・・ということで頂きました。 恐縮です
外形寸法 470Wx170Hx435Dmm
重量 21.3キロ
1991年発売 90000円
TA-F555ESLとの重量差2.7キロはトランスとコンデンサー、ヒートシンクの差である。
基本的なことは、TA-F333ESRとかなり重複しているので、333ESRのページもあわせてご覧ください。TA-F555ESLの内部と比較しても 面白いことがわかります。
モデル名 |
変更点 |
333ESX |
1986年2月発売。18.6キロ。トランスは350VA。120W+120W。コンデンサーはドライバー段13400μF、終段25000μF
Gシャシーを採用。音はハードでダイナミック |
333ESXU |
1987年10月。1987年10月。19.6キロ。120W+120W。コンデデンサーの配置が変更。しっかり固定されるようになり容量も強化される。 |
333ESR |
1988年10月。21.2キロ。120W+120W。トランスがケースに封入され320VAとなる。シリーズ中ベストな音質と評判も高い?聴きやすいマイルドな音でエネルギー感は後退しバランスの良い音に。 |
333ESG |
外観のデザインを大幅変更して左右対称となる。コンデンサーの表面を植毛で防振加工、コンデンサーはTA-NR1用に開発した新型コンデンサーに変わっている。トランスなどは333ESRと同じ。リモコン付属 |
333ESL |
外観のデザインを大幅変更(333ESGが不評?)
終段にMOS-FETを採用。リモコン付属 |
333ESA |
外観は333ESLに準ずる。21.3キロ。140W+140W
リモコン付属。内部配線を強化 |
333ESJ |
MOS-FETを電圧増幅段、ドライブ段、パワー段にも採用。外観は333ESLに準ずる。21.3キロ。120W+120W |
FA5ES |
終段がシングルに戻る トランスがトロイダルになりセンターマウントされる。Gシャーシ廃止。偏心インシュレーター。フッ素加工放熱フィン。外観デザイン大幅変更。 |
FA50ES |
電源部強化。リモコン廃止。外観デザイン大幅変更。 |
サイドウッドはMDF製、裏側にリング状のフェルトがあり、それでコの字状の天板をダンプする方式。
コの字状の天板 多くのソニーアンプの共通パーツだろうが、ダンプ用の防振材の貼り方が各機種で異なる。
内部構造 TA-F555ESLとそっくり
ヒートシンクは555ESLとは材質が異なる。TA-F333ESRと同じヒートシンクである。
ただ細かいパーツを見ると、やはり価格差にともなうコストダウンがある。TA-F555ESLでは黒い箱状のフィルムコンデンサーが使用されていたが、TA-F333ESAでは茶色のフィルムコンデンサーになっている。
右手のコンデンサーは555ESLではセラファインコンデンサーだったが、同じエルナ社のシルミックに変わっているが、(写真はフォノイコライザー基板)これはコストダウンではなく、セラファインの生産中止に伴う仕様変更だろう。
金色の派手なコンデンサーはニチコン製で特注品だろうか?銘柄は記載されていない。555ESLではニチコンのAVFがここに使用されていた。 2階がフォノ基盤、1階がプリアンプという基本的な構造は同一である。外観はきれいだったが内部となると、鉄シャシーに年代相応の錆が析出している。
側面の白いものが錆
ボリュームはモーター駆動
ボリュームの品番は241-250-11
筐体前面のコントロール系の基盤
リモコン系のマイコン回路は使用しないときは、電源が切られる設計である。
トランスのケースのサイズは333ESRや555ESLと同じ。
トランスは4本のネジで固定。
ジブラルタルシャシーを貫通して、裏側からナットで固定されている。
トランスの容量は 190VA
555ESLは勿論、333ESXや333ESRより小さい容量である。トランス本体はケースに入っているのでサイズは不明。
パワーアンプ基板からスピーカー端子に伸びる電線。透明被覆の太いものが使用されている。ESL→ESAの改良点の1つだろう。TA-FA50ESにも同じ電線が使用されている。
ドライバー段用のコンデンサー
ネガティブブラックの63V 8200μFが使用されている。
これはTA-F555ESLと同じ容量であるが、高さが異なる。直径は同じ。
取り付け方も555ESLと全く同じ
コンデンサーのプラットフォームを取り外す
これもTA-F555ESLと同じものが使用されている。
終段用のコンデンサーも 555ESLと同じ63V 18000μFのネガティブブラック
コンデンサーの直径も直径60ミリと同じサイズであるが、長さは90ミリとすこし短い。外観も異なる。
BIAS調節部分 30mVと記載がある。
基板の質も 333ESAと555ESAでは異なります。
問題のスピーカー端子の基板
ほどほどの汚れ具合です。
紙やすりで軽く研磨します。
交換修理される場合は、この写真をご参考にしてください。
このあとは お約束のハンダクラックの補修作業に移行します。
怪しそうなハンダ部分を片っ端から再ハンダしていきます。SONYの製品はハンダが少ないような印象があり、ハンダクラックが生じやすい感じがあります。ソニータイマーといわれる現象の原因は、これではないでしょうか?
左よりC3298A-A1306A 東芝製MOS-FET J200(2個), C3423, 東芝製MOS-FET K1529
(片チャンネル分)
東芝製 2SK1529 2SKJ200 MOS-FET いわゆる新型MOS-FET
C3298A-A1306Aは、バイポーラー型トランジスターでプリドライバーとして使用されている。
以上 全てTA-F555ESLと全く同じ素子による同じ構成。
ジブラルタルシャシーに直接固定される基板
写真中央の2つのネジは、メインのフィルターコンデンサーを固定するためのもの。その下側の黄色い端子が付いているネジは、アースポイント
フロンパネルなどの件は、TA-F555ESLと全く同じなので割愛します。
ジブラルタルシャシーや脚についても同一です。
上が333ESA、下がが555ESL。外観はサイドウッドの仕上げとSPターミナルが違うのみである。
TA-F333ESAは光沢仕上げのサイドウッドである。正面もRがつけられている。
TA-F555ESLはつや消し仕上げ。
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